探偵小説の巨匠が描く美しき女盗賊

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美貌の盗賊「黒蜥蜴」VS名探偵・明智小五郎!!!

江戸川乱歩

 

『黒蜥蜴』

創元推理文庫

~霧名亜夜斗のこの小説が面白い!!!~

 

 

   《あらすじ》

社交界の花形にして暗黒街の女王、左の腕に黒蜥蜴の刺青をしているところから、その名も《黒蜥蜴》と呼ばれる美貌の女賊が、大阪の大富豪、岩瀬家の所蔵する日本一のダイヤモンド「エジプトの星」を狙って、大胆不敵な挑戦状を叩きつけてきた!!!
妖艶な女怪盗と名探偵・明智小五郎との頭脳戦は、いつしか立場の違いを超えた淡く切ない感情へと発展していく・・・・・・・・

 

 

   《解 説》

「…美しい女の左の腕に、一匹の真っ黒に見える蜥蜴(とかげ)が這っていた。
それが彼女の腕のゆらぎにつれて、吸盤のある足をヨタヨタと動かして、這い出したように見えるのだ。

今にもそれが、肩から頸、頸から顎、そして彼女の真っ赤なヌメヌメとした唇までも、這い上がって行きそうに見えながら、いつまでも同じ腕に蠢いている。

真に迫った一匹の蜥蜴の入墨であった…」

(本書13・14P)

 

 

『黒蜥蜴』(くろとかげ)というと、三島由紀夫・脚本、美輪明宏・主演の演劇があまりにも有名ですね。
本書はその原作であたります。

黒蜥蜴は、基本的には怪盗です。

同じく乱歩が生んだ怪人二十面相は、「血をみるのが嫌い」で、人を殺さないのですが、黒蜥蜴は平気で人に拳銃を向けます。
婦女子の誘拐もお手の物です。

彼女が集めるのは

「この世のありとあらゆる美しい物」です。

それにはダイヤモンドなどの宝飾品だけではなく、美少女・美少年までもが含まれているのす・・・・(以下、ネタバレの為、割愛)

しかも彼女は変装の名人で神出鬼没。
どんな警戒厳重な場所にも潜入してきます。
この狡猾な盗賊を迎え撃つのが、我らが名探偵・明智小五郎
バリッとスーツを着こなした、モダンな紳士探偵です。

果たして両者の頭脳合戦は如何に??

 

 

ちなみに黒蜥蜴は、時折、自分自身のことを「僕」と言います。いわゆる「ボクっ子」の原点なんでしょうか?

 

 

 

長編冒険探偵小説、いわゆる「怪盗対名探偵」物に興味がある方に、本作品を強く推薦いたします。

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