むざんなや かぶとのしたの きりぎりす
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その島の名は…『獄門島』という。
《あらすじ》
「………金田一君…
俺の代わりに……
獄門島へ行ってくれ………
俺が帰ってやらないと……三人の妹たちが殺される………」
終戦後、日本に向かう復員船の中で、こう言い残して死んだ青年・鬼頭千万太。
昭和二十一年九月上旬、
戦友だった金田一耕助は、千万太の遺言を伝える為、瀬戸内海の孤島に向かう。
その島は名は、『獄門島(ごくもんとう)』と呼ばれていた―………
金田一は、島の有力者である了然和尚、村長の荒木真喜平、医者の村瀬幸庵の三名に宛てた千万太の紹介状を携えていた。
船上で偶然出会った了然和尚に、金田一は、千万太の死を告げる。
和尚は、
「本家は死んで分家は助かる、是非もないことじゃ………」
と呟いた。
どうやら、分家の一(はじめ)は生還したようだった………。
鬼頭の本家に赴いた金田一を迎えたのは、
一の妹である早苗と
千万太の三人の妹・月代、雪枝、花子であった。
苦境の本家を切り盛りする早苗に恋情を覚える一方、
三姉妹の異様な雰囲気に胸騒ぎを覚える金田一であった……。
角川文庫
横溝正史 著
《紹 介》
探偵小説のモチーフの一つに、
“見立て殺人”というのがあります。
古くは、ウ゛ァン・ダインの『僧正殺人事件』や、アガサ・クリスティーの『そして誰もいなくなった』が古典的傑作です。
本作は、日本を代表する探偵小説作家・横溝正史が、
「日本でも、“見立て殺人”はやれないものか」の発想のもと創作されました。
また、横溝正史特有の“血族のしがらみ”も本作の特色として、大きく顕れています。
血族の因習と怨念に縛られたお馴染みの
“横溝ワールド”を是非ともご堪能ください。
名探偵が活躍する、推理を基調とした本格探偵小説が読みたい、という方に、本作品を強く推薦いたします。
「〇〇〇〇じゃがしかたがない」
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